感染症届出様式とそれに基づく届出書 FHIR仕様書
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感染症届出様式とそれに基づく届出書 FHIR仕様書 - Local Development build (v1.0.0) built by the FHIR (HL7® FHIR® Standard) Build Tools. See the Directory of published versions

エクセル定義表の作成方法

 改訂Ver. 0.9 (2023.5.31)

感染症届出様式 HL7FHIR記述のためのエクセル定義作成方法

文書の概要

この文章は、感染症届出様式とそれにもとづく症例届出票を、それぞれFHIRリソース(Questionnaireリソース、QuestionnaireResponseリソース)で記述する仕様(Profile)を作成するため、感染症届出様式をエクセルファイルで定義する方法を記載したものである。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/kekkaku-kansenshou11/01.html){:target=”_blank”}

ここでは、比較的複雑な記載項目を含む腸管出血性大腸菌感染症を例に、記載する。


腸管出血性大腸菌感染症 様式5-5

エクセル表の各列(A,B,C…)の仕様

1行目 から 8行目

1行目から8行目は以下のとおりとする。

  • 空のままにすることはできず、何か文字列を設定する必要がある。
  • 特に記載がない限り、空白、セル内の改行、不等号、丸付き数字、半角カタカナ、ハイフンは使用できない。
A列 B列 説明 腸管出血性大腸菌感染症の場合の記載例
1 #category 様式識別子 様式を一意に識別するための文字列で、英字大文字だけの文字列とし、他の様式と同じ文字列になってはいけない。 EHEC
2 #description 様式の説明 様式のタイトルなどの文字列(空白を含んでもよい) 別紙様式3−3 腸管出血性大腸菌感染症 発生届
3 #sheetID 様式番号 様式の番号などの半角文字列。任意。 3-3
4 #version 版数 おなじ様式におけるバージョン番号で、半角数字とピリオドのみからなる文字列 1.0
5 #name 名前 様式の名称。日本語または英語の文字列(空白とハイフンを含まない) 腸管出血性大腸菌感染症
6 #title 表題 様式の名称。日本語または英語の文字列(空白を含まんでもよい)。表示の表題に使用される想定。 腸管出血性大腸菌感染症 発生届 Enterohemorrhagic E. coli infection
7 #date 更新日付 作成または改版した日付(YYYY-MM-DD形式) 2021-05-31
8 #publisher 作成者 作成組織名など。 厚生労働省

9行目

9行目は以下のとおりとすること。変更不可。

  • 空白を前後や途中に含んでもいけない。
  • K列以後に何かを書いてはいけない。
A列 B列 C列 D列 E列 F列 G列 H列 I列 J列
9 #linkId text type enableWhen required repeats maxLength answerValueSet initial note


10行目以降に記述する列の意味を識別する文字列を各列にこのとおり設定する。
10行目以降の各列の意味と記述ルールは以下のとおり。

* #linkId : 入力項目欄を識別するIdで、#で始まり、半角数字、アンダーバー、ハイフンだけからなる。複数の項目をグルーピングする場合には、グループに1行割り当ててIdを割り当てる。
その上で、そのグループに属する個々の入力項目のIdは、親グループIdにアンダーバーをつけて数字を割り当てることにより一段下の階層に属する入力欄であることを示す。詳しくは以降の例を参照のこと。
#特殊なlinkIdとして、#block_Header, #block_Subject, #block_Contents がある。それぞれ、本個票のヘッダブロック情報、対象者(患者)の情報、内容情報に対応し、それぞれ1度しか出現してはならない。#block_Header内の#linkIdは、#block_Subject, #block_Contents に同じ値が出現してもよい。一方、#block_Subject, #block_Contentsの2つのブロック内には両者を通して同じ#linkIdは一度しか出現してはならない。
#block_Header, #block_Subject, #block_Contentsには、以降のtext列とtype列だけに値を設定する。 * text : この入力項目の表示見出し文字列。
 - 空のままにすることはできず、何か文字列を設定する必要がある。
 - セル内の改行、不等号、丸付き数字、半角カタカナは使用できない。空白は使用できる。
* type : この入力項目のデータ形式。group, string, choice, date, integer, quntity, boolean のいずれかとする。
 - group : この入力項目が、配下の入力項目をグルーピングする目的だけであることを示す。この項目ではデータ入力はできない。また配下の入力項目を定義しなくてもよく、その場合にはグループ表題だけを表示する役割となる。
#block_Header, #block_Subject, #block_Contents のtypeは、groupを設定すること。  - string : この入力項目が、文字列入力項目であることを示す。セル内の改行の入力はできない。空白は使用できる。
 - choice : この入力項目が、選択肢入力項目であることを示す。選択肢リストに名前をつけてその名前は、answerValueSet列に設定し、選択肢そのものは別途定義する。
 - date : この入力項目が、日付入力項目であることを示す。日付はyyyy-mm-dd の形式で内部的に設定される。
 - integer : この入力項目が、整数の数値入力項目であることを示す。
 - quntity : この入力項目が、小数もありうる数値入力項目であることを示す。
- boolean : 「あり、なし」「YES、NO」など2値しかとらない特殊な選択タイプ。
* enableWhen : この入力項目が、他の入力項目の値の条件によって入力可能となる項目かどうかが決まる場合に、その条件を設定する。現時点では未使用。
* required : この入力項目は必須入力である場合に値として1を設定する。必須でない場合には0を設定する。
* repeats : この入力項目は複数繰り返し回答可能な場合に値として1を設定する。繰り返し不可の場合には0を設定する。
* maxLength : この入力項目での文字数または数値の最大値を設定する。現時点では未使用。
* answerValueSet : この入力項目のtype列がchoice (選択肢入力項目)である場合には必ず、その選択肢リスト名を設定する。選択肢そのものは別途定義する。
次の名前のついた選択肢が用意されているので、使える場合にはそれを使用する。XXXX部分は#category行(1行目)で設定した様式識別子に置き換える。
 - FhirGender : 性別
 - YesNo : あり・なし または はい・いいえ
 - Unknown : 不明 この選択肢は不明の場合だけ選択する項目
 - FactLikelihood : 確定・推定
 - subjectClassXXXX : 診断(検案)した者(死体)の類型(選択肢はこの名前で様式ごとに別に定義する)  - symptomXXXX : 症状の選択肢 (選択肢はこの名前で様式ごとに別に定義する)
 - dxsourceXXXX : 診断方法や診断根拠の選択肢 (選択肢はこの名前で様式ごとに別に定義する)

* initial : 入力の初期値、デフォルト値。現時点では未使用。 
* note : 自由メモ。この入力項目についての定義者にとってもメモ書き。様式に表示されたりデータとして書き込まれたりしない。


10行目以降

10行目以降は、次の3つのブロックからなる。

  • 「ブロックヘッダ」 報告者情報などを記述する
  • 「当該者情報」 症例報告の対象となる当該者の情報
  • 「届出内容」 届出の本体

ブロックヘッダ

対応する様式の部分


様式5-5ヘッダ

以下の表では見やすさのため、9行目を再掲していることがある。

A列 B列 C列 D列 E列 F列 G列 H列 I列 J列
9 #linkId text type enableWhen required repeats maxLength answerValueSet initial note
10 #block_Header 届出元情報 group              
11 #1 報告年月日 date   1 0        
12 #2 医師氏名 string   1 0        
13 #3 従事する病院・診療所の名称 string   1 0        
14 #4 上記病院・診療所の所在地 string   1 0        
15 #5 電話番号 string   1 0        


  • 説明
    • 10行目: この通り設定する。
    • 11行目: 「報告年月日」に対応する。この通り設定する。
    • 12行目: 「医師氏名」に対応する。この通り設定する。
    • 13行目: 「従事する病院・診療所の名称」に対応する。この通り設定する。
    • 14行目: 「上記病院・診療所の所在地」に対応する。この通り設定する。
    • 15行目: 「電話番号」に対応する。この通り設定する。 セルの空欄の箇所が何も設定しないこと。 #および英数字はすべて半角とし、余分な空白を入力しないこと。



当該者情報

対応する様式の部分


様式5-5当該者情報

以下の表では見やすさのため、9行目を再掲していることがある。

A列 B列 C列 D列 E列 F列 G列 H列 I列 J列
9 #linkId text type enableWhen required repeats maxLength answerValueSet initial note
10 #block_Subject 当該者情報 group              
11 #1 診断(検案)した者(死体)の類型 choice   1 0   subjectClassEHEC    
12 #2 当該者氏名 string   1 0        
13 #3 性別 choice   1 0   FhirGender    
14 #4 生年月日 date   1 0        
15 #5 診断時の年齢(0歳は月齢) integer   1 0        
16 #6 当該者職業 string   1 0        
17 #7-1 当該者住所 string   1 0        
18 #7-2 当該者住所の電話 string   1 1        
19 #8-1 当該者所在地 string   1 0        
20 #8-2 当該者所在地の電話 string   1 1        
21 #9 保護者氏名 string   0 0        
22 #10-1 保護者住所 string   0 0        
23 #10-2 保護者電話 string   0 1        


#7-1と#7-2は、「7.当該者住所」と「その電話番号」との関係が上限関係ではないとみなしたため、この2つが並列であるため、ハイフン記載としている。

#7 当該者住所情報 group
#7_1 住所 string
#7_2 電話番号 string
のように#7 当該者住所情報をグループ項目として定義した上で、その配下に2つ定義するという書き方もある。この場合にはハイフンではなくアンダーバーを使う。

また、
#7 当該者住所 string
#7_1 電話番号 string
のように#7 電話番号は住所の一部でその配下であるとみなして、当該者住所情報を#7とし、その配下に#7_1電話番号を定義するという書き方もある。


届出内容

症状

対応する様式の部分


様式5-5症状

以下の表では見やすさのため、9行目を再掲していることがある。

A列 B列 C列 D列 E列 F列 G列 H列 I列 J列
9 #linkId text type enableWhen required repeats maxLength answerValueSet initial note
16行以降 #block_Subject 当該者情報 group              
#11 症状 choice   1 0 YesNo      
#11_1 症状選択肢 choice   0 1 symptomEHEC      
#11_2 その他の症状 string   0 1        

以降の例示

以降では、上記様式に対応して定義した定義ファイルの例を図で示す。

診断方法


様式5-5診断方法


様式5-5診断方法


診断・発症等の日付


様式5-5診断・発症等の日付


様式5-5診断・発症等の日付


感染原因・経路等


様式5-5感染原因・経路等


様式5-5感染原因・経路等

## 以上